《MUMEI》
「友達」
私は、二度とひとを好きになったりなんかしない。
絶対に。
『私、貴方が好き!』
『花…俺も…』
「ブチッ」
テレビ画面が真っ暗になった。
私はこういうベタな恋愛は嫌いだ。
「えー、何で消しちゃうのさ翼〜」
瑠樹が寝そべってポテチを食べながら、文句をたれる。
「良いとこだったのに〜!!」
瑠樹はまだぶちぶち文句を言っている。
瑠樹がまたリモコンに手を伸ばそうとする。
私は興味がなかったので、iPodの電源をいれ、イヤホンを耳に付けた。
私は、昔から音楽が大好きだった。
特にギターが入った曲が。
「えぇー翼〜、皆でみよーよ〜」
瑠樹が口を尖らせて言う。
「いいじゃないですか、本人が興味無いのですし、好きにさせてあげようよ」
葵衣が言った。

瑠樹(るき)は昔から活発な性格で、流行りには敏感。髪型は首ぐらいまでのショートヘア。
そんな瑠樹とは対象的に、葵衣(あおい)はおとなしい性格で、黒髪ロング。
その対象的な二人の中にいるのが、私。
他に
喙(かい)、千里(せんり)、渚(なぎさ)が居て、小さい頃からずっと六人だった。
何があっても、
何が起きても。
ずっと「友達」だった―。
「友情」という感情がひとりでも無くなるなんて、
思 い も し な か っ た ― 。

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