《MUMEI》
話し合い(祐希視点)
今朝、部屋を出た俺は、すぐに、志穂に話しかけた。
「後で、話がある」
「私も」

お互い、二人で話したい事があったようだ。


俺は、仕事を終えると、すぐに志穂のマンションに向かった。

駐車場には、同じく仕事を終えた志穂が立っていた。
俺が車をとめると、志穂が俺の車の助手席に乗り込んだ。

「お疲れさま」
「そっちもな?…慎は?」
「…徹君に、頼んできた」
「そうか」

俺は、不自然なほど礼儀正しかった、優男の顔を思い浮かべた。

専門は、脳外科と、外科らしいが、高山徹は、優秀な医師だというから、二日酔いの介抱など、お手のものだろう。

志穂の説明によると、志穂の体調と傷跡の様子を気にかけた両親が、徹を志穂の元に送ったらしい。

と言っても、徹は、アメリカの病院に勤めていて、長期休暇も三ヶ月が精一杯だそうだが。

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