《MUMEI》

「徹君は、優しいし、大丈夫よ」
「…一応、男だけど、大丈夫なわけ? …お前は?」

俺の心配をよそに…

「弟みたいなものだから」と志穂は笑った。

「傷跡見せたりするのは、恥ずかしいけどね」
「見せたのか?」

志穂は、少し赤くなりながら、頷いた。

俺は、いつかの志穂の胸元を思い出した。

(結構、『男』には刺激的だと思うが…)

「まぁ、診察だから…」
「あぁ…」



「「それより、話って?」」

俺と志穂は、二人同時に話題を変えた。

(そうだ)

こっちが本題だった。

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