《MUMEI》 『あの人』に相談俺は徹の話にショックを受け、無言でソファーに座っいた。 (もう、帰ろう) 俺がゆっくりと立ち上がった時。 ガチャッ 「ただいま」 玄関のドアが開き、志穂が帰ってきた。 「おかえりなさ〜い!」 徹が甘えた口調で、バタバタと玄関に走っていく。 (あ、荷物…) 俺は、徹とは反対方向に歩き出した。 客間にあった荷物を持ち、俺は、玄関に向かった。 「慎君?」 俺は、話しかける志穂を無視した。 …今は、顔をみたくない。 「お礼も無いなんて、失礼ですよ?」 徹の言葉も、無視した。 「あ、あのね。 駐車場に、祐希君待ってるから」 『祐希』 俺は、その名前にだけ反応した。 志穂の部屋を出ると、駐車場に向かって走り出していた。 前へ |次へ |
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