《MUMEI》

「やぁ、お待たせ」
「「い、いえ…」」

(どうしよう、…)

この人、目立ち過ぎる。

周りの視線も痛すぎる。

俺は祐希と顔を見合わせた。

こんな所で、あんな話は、できそうもない。

「あ、あの!場所変えてもいいですか?」
「いいよ」

(えっと…)

なかなか思いつかない俺に、祐希が提案した。

かなり、勇気のある、提案。

「俺のアパートでもいいですか?ワンルームだし、狭いけど」
「いいよ、車はとめられるかな?」

(普通なら、大丈夫だけど)
外車は、微妙なスペースだった。

祐希がため息をついた。
…そして
「俺の車、乗って下さい、…すみませんが」

と、提案した。

「構わないよ」

そしてまた、その人



高山家 長男。

別次元の美しさの、大さんは、優雅に微笑んだ。

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