《MUMEI》
バレンタイン大作戦
二月に入っても、徹の妨害があり、俺は志穂と会えなかった。

そこで、俺と祐希は作戦を立てた。

「志穂は乙女だから、成功するぞ」
「うん、でも、いいのか、祐希?」

作戦が成功すると、祐希に寂しい想いをさせる事になる。

「いいさ。回数では、俺が勝ってる」
「…馬鹿」

俺は、祐希の頭を叩いた。
俺は、作戦を立てた夜は、祐希と一緒に過ごした。

―次の日の夜。
「もしもし」
『しつこいですね、相変わらず』

(お前もな…)

相変わらず、徹が志穂の携帯に出た。

「志穂に、替われよ」
『はいはい。志穂、電話』
『ごめんね、毎回』
「人に携帯とられるなよ」
すぐ近くに志穂がいても、何故かいつも徹が出ていた。

『何かね、ふざけてるんだ、いつも』
「ふ〜ん」

俺は少しいらついたが、本題を切り出した。

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