《MUMEI》 バレンタイン当日。 夕方、俺は祐希と一緒に志穂のマンションに来ていた。 「言っとくけど…浮気すんなよ」 俺が念を押すと、 「大丈夫。慎以外、興味無いから」 と、祐希はサラリと言った。 俺は、祐希を信用する事にした。 俺の手には、いつかと同じように、スペアキーとオートロックの暗証番号を書いたメモが握られていた。 今日これをくれたのは、大さんで。 自分達の意志で向かう点は、あの日とは違っていた。 前へ |次へ |
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