《MUMEI》 ピンポーン 俺は、志穂の部屋のチャイムを鳴らした。 スペアキーはあるが、極力使わないつもりでいた。 「は〜い」 笑顔で出迎えたのは、 予想通り、 ―徹。 「徹君、ちょっと顔貸してくんない?」 「ちょっと…って、どの位ですか?」 徹がわざとらしく、首を傾げた。 祐希がニッコリ微笑んで、「今夜一晩」 と答えた。 徹が、チラッと俺を見た。 前へ |次へ |
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