《MUMEI》

(その証拠に…)

志穂は体に力が入らないようで、キスが終わると、自然と俺に体を預けてきた。
「ご…め…」
トロンとした目で、俺に謝るその表情も色っぽい。

「何で?柔らかくて、気持ちいいよ」

ちょっと、意地悪したくなる。

「それに、ノーブラ、だしね?」
「!」

俺の言葉に、反射的に志穂は体を離した。

…が、相変わらず体に力が入らないようで、そのまま床に座り込んでしまった。
(後の秘密は、それか…)

俺は、志穂の胸元のタオルを見つめた。

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