《MUMEI》
長い夜(祐希視点)
慎が隠れている志穂をさがしている頃。

「ちょっといいですか?メール打ちたいんですけど…」

俺の車に乗り込んだ徹は、すぐにそう言った。

「別にいいぞ」
「ありがとうございます」
徹は、すぐにメールを打ち、送信した。

内容はわからないが、随分短いものだった。

「…で、お話ってなんですか?」
「アパートに着いたら話す」
「は〜い」
徹は、軽い口調で返事をした。

俺は、車のエンジンをかけると、アパートに向かった。

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