《MUMEI》

「もしかして、今日、来るのか?」

あの、高山兄妹が。

(それは、気まずい)

何となく、俺がそう思っていると、

「ううん。後で実家に届ける」

と志穂が答えた。

(良かった)

俺が安心した、その時。

ピンポーン

玄関のチャイムが鳴った。
カチャッ

返事を待たずに扉が開き、
「ただいま〜」

と、徹が入ってきた。

「…お邪魔します」

つづいて、祐希も。

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