《MUMEI》
幸福
「よぉ!!」
「銀也!!友祥は?まだ来てないの?遅刻?」
「今日・・・休みだってさ」
「風邪でも引いたのかなぁ?」
「そうかもなぁ・・・」
「涼哉っ!!」
「あっ、綾・・おはよう」
「あのねッ・・あたし・・好きな人できちゃった・・///」
「誰??」
「分かんない。名前しらないの」
「マジで・・どこであった?」
「学校帰りで・・違う学校の人みたい」

 銀也はしょぼんとしてる。
「残念だったね」
「あぁ・・・」
「銀也ぁ〜」
「おっ・・・燐」
「今日ね・・・・買い物付き合って!!お願い・・」
「あっ・・いいけど」

 何で・・燐と・・銀也がいい雰囲気な訳!?
「おいっ・・涼哉・・・」
「はぁい・・・」
「ごめんな」
「いや・・そんな事ないですけど(泣)」
「あからさまに落ち込まないでくださいよ」
「はいはい」
 銀也って俺から見てもかっこいいもんな。いっつも明るくて優しくて人気がある。頼りになるし。


「キーンコーンカーンコーン」
「席つけ」
 皆が席に座る。
「えっと、来月・・体育祭があるんだが・・実行委員になってくれる人・・・」
「・・・・・・・・・・・」
「いないのか〜」
「橋本っ・・・・」
「はい・・・・」
「お前・・陸部でナンバーワンの成績なんだから・・なれよ」
「やめてくださいよ」
「じゃあ・・橋本は誰になってほしいか?」
「涼哉がいいです」
「えっ・・俺?」
「池田も・・足速いんだって??せっかくだから・・なれよ」
「せっかくですが、お断りします」
「池田に決定でいいと思う人」
「はーーーーーーい」
「支持率100%!!よかったな」
「えっ、俺ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっぇぇぇっぇぇぇっぇ!!!!」
「もう、決まったから」




「銀也〜」
「ごめんごめんご」
「遊ぶな、反省の色が見えてない」
「ごめんなさい」
「銀也の奴・・・・」


「銀也〜」
浩介が呼ぶ。
「何?」
『コツン』
銀也の頭を浩介が殴った。
「バツゲームだよ」
「いい気味」
「マジいてぇ。たんこぶできてるんだからな」
「知るかよ」
「どこに?」
「ここだよ」
「あっ、見えねぇ・・」
 もう一発殴る浩介。
「じゃあ、俺も」
 俺が思い切り殴ると、
「涼哉いてぇぞ。陸部なんだから手加減しろよー!!」
「しない。可愛がってあげたぜ?」
 こんな普通の生活がこれからも続くと思っていた。長続きしないんだな・・幸せって物は―。
 俺等の前からすぐ・・姿を消すんだ。

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