《MUMEI》

「ただし、条件があるよ!」

果穂さんの言葉に、俺達はビクッとした。

果穂さんが、俺を見つめた。

「な、何ですか?」
「慎君。うちの志穂と結婚してくれる?」

そう言って、果穂さんは、いつかの居酒屋の志穂のように、微笑んだ。

俺は、祐希を見た。

「…いいぜ、別に」

(祐希、ありがとう)

俺は、
「わかりました」
と答えた。

「それと、もう一つ!」
「?」

今度は、何だろう。

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