《MUMEI》

「―…じゃあ、ちょっとお邪魔します!」



あたしが笑ってそう言うと、



ぐぅ〜…きゅるる…



あたしのお腹が盛大に鳴った。



真っ赤になって俯くと、



「…飯、無いんだったら…」



と、彼は持っていたもう一個のパンを差し出してくれた。



「…いいの!?ありがとう!!」



素直に受け取る。



…チョココロネ…


に、二階堂君、かわいい…!!



「…二階堂君、メロンパンとか食べるんだね!!…意外!!」



あたしがそう言うと、



「…べつに…食べられれば、何でも…」



メロンパンをほおばりながら、答えてくれた。



あたしもチョココロネをほおばる。



おいしい…



なんだか、


この時間は、すごく幸せに満ちていた。



二階堂君が喋ってくれたことも、


二階堂君が優しかったことも。




ぜんぶ、全部嬉しくて、



世界中にこの幸せを叫びたいような、



―…なぜか、そんな気分になった。

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