《MUMEI》

ところで。

今何が起こっていたかと言うと…


「マジで危なかった…っていうかヤバくない…?」

今は放課後、あたし達は掃除当番で、黒板消しをバフバフするために廊下に出て窓の付近に立っていた。

あたしはもう終わりそうだった掃除をほったらかして、結衣ちゃんに付いて行ってただけだけど。

結衣ちゃんが黒板消しを持って、さあバフバフするぞ!って感じで窓から身を乗り出そうとしていた時だった。

また変な映像が浮かんでいた。

身を乗り出していた結衣ちゃんの頭に、直径40〜50cmくらいの錆付いた感じの、囲いのような物が直撃して後は・・・うん、悲惨。

こういうのってほんの一瞬で、バッと脳みそに流れ込んでくる感じ。

あ…って思った時にはもうさっきのように叫んでた。

身を乗り出す直前で固まってくれた結衣ちゃんを余所に、その錆付いた何かは落下して行った。

うちの教室はコの字型の校舎の端っこにあたり、この時使おうとしていた窓の方には屋根は延びていなかった。

外…下では何事かと、下校途中や部活に向かう生徒達が騒いでいた。

その声を聞きつけたのか、教師も何人か駆け寄ってきていた。

『はぁ・・・』

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