《MUMEI》 そして、今日。 私と母さんと貴子ちゃんは、貴子ちゃんの夫の龍平さんの経営するショップに来ていた。 ここは、海外ブランドを多く取り扱っていて、身長172センチの私に合う洋服や靴が、たくさん揃っていた。 ちなみに、母さんも、貴子ちゃんも私より身長が高く、ここを気に入っていた。 「やっぱりスカートは膝上でしょ」 「志穂の美脚で、仲村君、悩殺でしょ」 「母さん、『悩殺』って…」 私は、ノリノリな二人のテンションに、ついていけなかった。 「嬉しいんですよ、果穂(かほ)さんも、貴子も」 「龍平さん…今日は、すみません」 笑顔で、たくさんの靴箱を抱えた龍平さんが現れた。 母さん達が、今日ここを強引に貸し切りにしたから、店内には、私達と龍平さんだけしかいなかった。 「いいんですよ。 それより、義姉さん。ウエスト2センチ細くなりましたね。後は、変わりないみたいですけど」 「…そう、ですか?」 …龍平さんの特技は、人のスリーサイズがすぐわかる事だった。 「本当?じゃ、やっぱりこっちのワンピースだね!」 と貴子が、パステルピンクのミニワンピースを選んだ。 「ところで、さっきから、何でワンピースばかりなの?」 前へ |次へ |
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