《MUMEI》

私は、今着せられている白いワンピースを脱ぎながら、質問した。

「「だって脱がせやすいし!」」

二人が同時にとんでもない事を言うから、私はため息をついた。

「だから、別に仲村君に告白とか、しないから」

私が昨日から繰り返し言っても、二人はまったく止まらなかった。

「何言ってんの!こんだけ綺麗に変身すれば、仲村君も、食い付くわよ!ていうか、食べちゃいなさい!いっそ!」

―無理です、母さん。
それが出来るのは、あなたと…

私は、チラッと貴子ちゃんと龍平さんを見た。

「そうよ〜私が龍平食べたみたいに」
「はい、食べられました」
二人が、笑顔で言った。

―あなたと、あなたによく似た性格の、貴子ちゃんだけです。

「…無理。会えれば、それでいいの」

私は、ポツリと言った。

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