《MUMEI》

更衣室を出ると、ボチボチ揃い始めた部員たちが思い思いに時間を潰していた。

部員は今現在、総勢で60人程。

なんせ地方なので、他県の中学校と比べたらわからないけど…

少なくとも地元1のマンモス校だった我が校は、あたし達の代で1学年340人、A〜Iクラスまである。

ちなみにあたしはEクラス。

昔はもっと居たらしく、その面影は多目的室に乱雑に放置された古い机や、今でも使われている給食のお膳なんかにうっすらと残っている、油性ペンの「J」や「K」の文字の跡からも読み取れた。

市立の中学校なので、校区内のあちこちの小学校を普通に卒業した、普通の生徒が集まった結果でこうなってる。

そして他校には、生徒数の多さや素行の悪さから、この学校の「良い」噂は何ひとつとしてなかったとか。

他校に限らず、地元の人なら誰でもある意味一目置いていた。

今でこそ落ち着いたものの、やっぱり全員が全員かわいい生徒な訳もなく…

これは入学式の時点で経験、理解済み。

彼等なりの「お祝い」だったんだろう、そうだろう。

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