《MUMEI》

…この60人でも、去年の半分の部員数にも満たないんだよね。

去年、あたし達新入部員は創立以来の快挙を遂げた。

その年のバスケ部に届いた入部希望届けの総数…


100枚強


学年の1/3がバスケ部員となった。

他の部活、主に運動部から「バスケ部員」に向けて勧誘という名のお願いの手紙が回って来たのは言うまでもない…かな。

去年の練習は、「大変」そのものだった。

1年生だけ前半と後半に分けたりしてた日もあったけど、それでも多い。

ゴールの数もボールの数も決まっているし、体育館で運動部が運動せずに立っている、この長蛇の列は見ものだったろうな。

…隣のコートで、バレー部が苦笑いしていたのを思い出すっ。

あの厳しい顧問ですら暫くは、練習の合間にこっちを見ては腕組みをしながら苦笑して、くいっと首をかしげてたもんね。

まあみんな「とりあえず感」な勢いと、あと当時流行っていた某バスケ漫画に流された結果だったんだろうってのは、今のこの部員数を見るとはっきりする。

そんなあたしも、当初は部活と言えば「とりあえず」バスケでしょ、って感じで入っただけだったり…


あは。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫