《MUMEI》 動き始めるテントの外では住民が荷物をまとめ移動を始めていた。 「オデッセ、ロゼはどうした?」 到着したオデッセにセイが声を掛ける。 「陛下なら先行してコーリア軍の足止めをしている。」 「はぁ?何でロゼが前線に出てお前がココに居るんだよ!」 「避難したのを確認後、援護に行く。文句なら陛下に直接言え。」 オデッセは住民の避難誘導を行っている近衛騎士に寄っていく。 「ちょっと待って、ロゼ様が率いて行ったの何騎?」 「3千騎。撹乱して足止めをするだけだから大丈夫だろ?」 禾憐の質問に振り返ると事も無さそうに答える。 「嘘・・オデッセ!すぐに軍を動かして!」 「はぁ?禾憐ちゃん何言ってんの?たかがコーリアの軍だろ、陛下なら簡単に・・」 「敵の数が2万だぞ!?」 セイが思わず声を上げる。 ハンディングが伝えた敵の数。それは予想を遥かに超えている。 「先頭は守護騎士と皇国の騎士で固めてある、移動は順調に進んでいるんだが・・」 オデッセ達にバンプが声をかける。 「あ〜〜悪い、近衛騎士の半数を動かす!こっちの守りが薄くなるが・・頼む!」 オデッセが信号手の下へと走り寄りながら叫ぶ。 「何かあったの?」 同じく、側に来ていた彩詩が質問する。 「ロゼが率いてるのが3千騎で相手は2万って事だ!急いで救援に向かう。あんた等には悪いがオレも行くからな!!」 ヒューー・・ 風切音を響かせながら信号弾が打ち上げられる。 セイと禾憐はそれを確認すると一斉に駆け出した。 「このまま避難誘導を続けてくれ、陛下の方は俺らが何とかする。」 オデッセが馬上から彩詩たちに声を掛けるとそのまま駆けて行った。 「バンプ・・君が指揮を執って。私は皇国の手助けに動くよ。」 前へ |次へ |
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