《MUMEI》

あれからすぐあたしは塾へ向かうべくお別れ。

サユと桐子の家…アパートは、同じ集合団地(?うろ覚え)内で、棟が違うだけだから帰る方向は全く一緒だ。


家から学校までは約40分、家から塾までは約30分、学校から塾までは約15分くらい。

まあ中学生の足で…だから。

家から学校へ向かう途中にある、と思ってもいいくらいの位置に塾がある。



て言うか今何時だろ?

頼んでもいないのに親が買ってきた携帯。

じゃなくてPHS。

じゃなくてポケベル。

まで古くなくて…

この頃は携帯がそんなには普及していなかった。

社会人ですら、持ってて当たり前、の域にはなかった。

そんな中で、去年中1のあたしに親が渡してきた物は…

某携帯会社の「安心○フォン」

これがまた謎で、こっちからは登録した3件しかかけられない。

けど受けるのは誰からでも大丈夫。

メールも同様。

登録されているのはもちろんと言わんばかりに、父携帯、母携帯、…家。

母の携帯は今年買った物だから、それまではお兄ちゃんのが登録されていた。

家族にすらもまともにかけられない電話って…。

でも、形はかわいいなと思ってたり。



とにかくこの謎の電話で時間を確認する。














走る。

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