《MUMEI》

『勳羅さん。』


「おはよう紫吾君、また傷が痛むんだね。」


『はい。』


「もうそろそろ、薬がなくなるころかなって思ってね。」


『はい。』


勳羅は小さい黒いケースを紫吾の方に投げた。


紫吾は右手でキャッチをした。


『勳羅さん、いつもありがとうございます。』


「いんだよ。」

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