《MUMEI》 (それに…) 近くで見ると、仲村君は、何だか色っぽい。 …世間でいう、大人の男の色気とは、違うような気がする。 もっと、…女性に近いような… (そう言えば…) 留学先のドイツから帰ってきた大兄さんに、似てるような気がする。 私は、そんな事を考えながら、仲村君と会話していた。 (良かった) 普通に会話できて、私は安心していた。 メルアドも携帯番号も交換できたし。 ただ… 私の言葉を勘違いして、『ごめん!』と言った仲村君を見て、私は、確信した。 ―きっと、『彼女』がいるだろう、と。 それがわかると、側にいるのが辛くなってきて… 思わず私は、他のテーブルに移動してしまった。 この時私は、 (時々は、仲村君と遊べたらいいな) 位にしか、思っていなかった。 前へ |次へ |
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