《MUMEI》
出陣
「守護騎士様、住民の誘導は俺たち自警団に任せてくれないか?あんたらにばっか迷惑はかけられないしよ。」
リーベルの市長が彩詩に向かって声をかける。
「え・・でも。」
「避難誘導くらいは俺らでも出来る。怪我人ばっかりの守護騎士様を働かせてたら罰が当たっちまう。」
おどけた調子で市長は笑う。
「・・感謝します市長。バンプ、すぐに守護騎士を全員集めて!!」
「解った!」

揃うのには10分近くの時間がかかった。集合した中には守護騎士以外の者の姿も多数ある。
「これより、私達は皇国軍の援護に向かいます。ですが・・住民の護衛も残さなければなりません。これは命令ではありません、皇国への援護は私の独断であり、正規の任務ではありません。それでも行くという方だけ私達に続いてください。」
それを静かに聴いていた集団の反応は・・
「団長、正規の任務って何だ?」
「要するに、皇国軍を助ければ足止めはできるんですよね?」
「皇国軍って・・女性騎士は居るんですか?」
「ココで活躍すれば、名が売れるってな!!」
などなど・・
「全員物好きって訳か。」
バンプが呆れたように彩詩を見る。
「きゅ〜頑張るの!!」
鋼の義腕をつけたごまが大きな声を上げる。

「久しく大型の魔法を使っておらぬからな・・存分に暴れさせてもらおうか。」
「お〜!派手にやっちゃおう!!」
「ま、最近運動不足だし。」
ハンディング、エミ、リアムも乗り気のようだ。

「・・・フィリアス教は嫌いだが、コーリア教も嫌いなんでな。」
「私も行くわ。」
シンギ、レイも静かに頷く。
「符も余ってるし。丁度いいや。」
「はっはっは!コーリアだかなんだか知らねぇけどやってやろうじゃねえか!!」
トモ、ロシュも残っている。

「・・・俺も行くの?」
狩月が琴に尋ねる、
「・・・たぶんな。」
「オィオィ!ココで活躍したら・・・・やるしかないだろう!!」
力説するボンカー。
「想花ちゃん、その微妙な間が気になるな〜」
ボンカーに詰め寄る想花。
「頼もしいな。」
「そうだね、リース。」
ロアとリースも並びながら苦笑している。
「師匠〜後で治療費の請求とかしちゃだめですよ?」
「・・・ちっ。」
「「ちっ」て何ですか!する気だったんですか!!」
アイズ、キティホークも並んでいる。

「主人。」
「ん、行こうか。命令はただ一つ。死んだら死刑!!生きて帰るよ!!」
剣を掲げ、切っ先をコーリア軍が居る方角へと向ける。
「突撃!!」
4千人近い集団が一斉に進軍を始める。

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