《MUMEI》 私はベッドを降りて、鏡に近づいた。 鏡の中の椎名くんも、 同じ動きで近づいてくる。 鏡の前で立ち止まり、 両腕を目の前にかざしてみる。 右腕には、包帯。 ―…程よく筋肉のついた、男の子の、腕。 髪に、顔に、手をやると、 髪は短くて、顔は骨格がしっかりとしている。 …これ、あたし じゃ、ない―… だって、鏡の中の椎名くんも、 さっきから、私と同じ動きをしてる。 …まさか。 いや、あり得ない!! …でも、 でも―…!!! 私は、病室の外へ飛び出した。 「うわっ!!」 ―…誰かに、ぶつかってしまった。 私にぶつかって、少しよろけたその人物―… その女の子は、 紛れもなく、 私、だった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |