《MUMEI》
はっと目が醒めると部屋が薄暗くなっている。
今日は夕方から雨だってテレビで言ってた。
慌てて起き上がりカーテンを開けると、
「あれ?」
ベランダに干した筈の洗濯物が無い。
パラパラ雨でベランダが僅かに濡れてる。
隣を見ると加藤が居ない。
「加藤?」
静か。
帰ったのかな?
▽
ベッドから降り冷蔵庫を開ける。
黒烏龍茶を出してぐいっと一本一気に飲み干した。
ソファを見ると洗濯物が綺麗にたたんであった。
つか俺がどう頑張っても出来ねー売ってるヤツみてーなたたみ方!
いや、頑張った事始めから無いけど…。
あー加藤に感謝、邪険にしてごめんなと心の中で誤りながらシャツを脱ぎだす。
なんか寝汗いっぱいで気持ち悪い。
ガチャ…
「う゛、うあっ!!ひ、ひ?ッ!」
突然トイレの扉が空いて秀幸登場!
腹を撫でながら中腰気味に出てきた。
「やっと起きたかー、あーもう昨日飲みすぎて腹がおかしくて…、なあ赤玉あっか?」
「な、何で!?ここに?場所教えてねーのに何で!」
「あー、お前の携帯に電話したら加藤君がでてなぁ、夜寝れないからってヤツ当たりされて困ってるからなんとかしてくれって言われて…」
「やつ…あたり?俺そんな事…」
あ、そうか、そーゆー事か…。
加藤め、勝手にお節介やくなってよ。
前へ
|次へ
作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ
携帯小説の
(C)無銘文庫