《MUMEI》
バイト
―中学の同級会から一週間後の週末。

私は、マンションの前に立っていた。

今日は、バイトの日だ。

いつも通りの時間に、清掃会社の名前入りのワゴン車がやってきた。

「おはようございます」
「おはよう」

私は、車に乗り込み、運転手さんと挨拶を交した。

バイト先は、ここから一時間ほど走ったところにある、某リゾート地の、それなりに値のはるホテルだ。

私が、この職場を選んだのは、知り合いのいなそうな場所で、働いてみたかったからだった。

それに、私のマンションの近くまで、送迎してくれる点も、選んだポイントだった。

私の仕事の内容は、チェックアウト後の、客室清掃だった。

初めての仕事だったが、黙々と清掃する仕事は、私に合っていたようだ。

私は、その経験をいかして、四月からは、駅前のビジネスホテルで、同じ仕事を、始める事にしていた。

ただ、今の職場の上司から、『忙しい時は、またバイトで来て欲しい』と言われていたから、週末の忙しい時は、こちらにまた来るつもりでいた。

ビジネスホテルとリゾートホテルは、客層も、忙しい時期も違うから、今後も両立させていく予定だ。

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