《MUMEI》 「あ、いち…お兄さん!!!」 あたしの事よりも、カズ兄に強く反応したのは、掛田菜緒子(カケダナオコ)。 「ナオ」の愛称で呼ばれていて、今回同じクラスになり、小学校が一緒だった。 あの厳しいバレー部に所属していて、背が高く、スラッとしている。 ショートしか許されていないため、髪は短い。 地黒なのを気にしているけど、本人が思っているよりは普通だ。 元気で笑い上戸。 「あ、一樹くん。」 最早あたしなんか存在していないかのように、カズ兄にのみ反応を示したのは、吉永さつき(ヨシナガサツキ)。 あたしの唯一の幼馴染で、カズ兄はもちろん、お互いの家族共々顔見知り。 家は斜め向かい、3人兄妹で、お互いの次男・末っ子長女の歳が同じ。 こんな間柄だから、生まれた時から交流があり、でも今回中2にして初めて同じクラスになった。 学童保育にも通っていたけど、あたしと一緒に2年で辞めた。 ナオと一緒で1年からバレー部に所属していて、背は結衣ちゃんやナオよりも低く、あたしやサユよりも高い。 キャシャで、手足が長く色白で、なんだかバランスの良い体。 桐子に劣らず冷静、ナオに劣らず笑い上戸。 「おはよう♪」 カズ兄が気前良く挨拶をする。 「おは…」 「おはようございます!!!」 と、ナオがさつきの発言を伏せて興奮気味に返すのは、バレー部での癖… ではなく。 「かっこいい…♪」 カズ兄は人気がある。 カズ兄にお礼を言い、別れ、学校へ向かった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |