《MUMEI》

「突然だけど…ドイツにいた時、男の、恋人って、…いた?」

大兄さんは目を丸くした。そして…

「良くわかったね。前も彼氏はいたけど、その時初めて後ろ奪われたよ」

(大兄さん…)

いつもの事だけど、私は照れてしまった。

大兄さんは、綺麗な顔と声で、すごい事をサラリと言うのだ。

気を取り直して、私は質問を続けた。

「どうして別れたの?」
「フラレた」
「嘘!」
「本当」

(信じられない…)

この美しい兄を振る人間が、この世にいるなんて…

「…それだけ、同性で付き合うのは、難しいんだよ」
大兄さんは、寂しそうに言った。

「大兄さん」

私は、本題に入った。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫