《MUMEI》 「良かった。えっと、一応、はじめまして、でいいですよね? 仲村君の中学の同級生の高山 志穂です」 私は、できるだけ落ち着いた丁寧な口調を意識し、深々とお辞儀しながら、『ゆうき君』に挨拶した。 「…どうも、屋代 祐希(やしろ ゆうき)です」 『ゆうき君』―屋代君は、そう言って、軽く頭を下げた。 屋代君は、身長は私より高く、多分、180センチ以上はありそうだった。 髪は短く、色は、黒。 顔は、整っている方だと思う。 大兄さんのように美しいという感じではなく、スポーツマン風な、爽やかな印象だ。 それに、引き締まった身体をしていた。 ちなみに、仲村君の身長は、中三の時点で、169センチだった。 残念ながら、今でも私よりやや低いから、当時から変わっていないと思う。 仲村君も、黒髪で、髪の長さは屋代君よりやや長めだった。 そして、仲村君は、初めて会った時もそうだったが、今も、華奢で、女性的な…失礼だが、可愛らしい顔付きをしていた。 前へ |次へ |
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