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《MUMEI》 「高山さんて…」 「はい?」 屋代君の言葉を、私は笑顔で待った。 「あの、高山 秀の妹なんだって?」 屋代君の何気ない一言に、仲村君は、恐る恐る私を見ている。 昔の私は、この一言を言われただけで、相手を殴り飛ばした事があった。 それだけ、当時、私は情緒不安定だった。 (今は、…大丈夫) 「そうですよ」 私は、先程と変わらぬ口調で、微笑みながら言った。 すると、屋代君は、 「先輩達が話してた、『美人の妹』って高山さんの事?」 と、続けて質問してきた。 「祐希！」 仲村君が、慌てて屋代君の口を塞いだ。 昔の私は、この一言を言われただけで、相手に飛び蹴りをしたことがあった。 前へ |次へ |
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