《MUMEI》
階段 〈私〉
…なんでこんな目に逢わなきゃいけないの…!?


『私』の姿をした椎名くんを見てたら、泣けてきた。



椎名くんは困ったように何かを言いかけたけど、


私が泣きやむまで、待ってくれた。



「蓬田、あのさ!!お前、ネコ!!
…ネコ、助けただろ!?」



椎名くんの言葉に、顔を上げる。



そうだ、ネコ…!!


目も開いてなくて、周りの状況も分かってなかった。


あの大きさだったら、もう目は開いてるはずだから、


もしかして、目が見えないんじゃないか、って―…


私は、椎名くんにそのことを告げた。


そう思った理由は話さなかったから、



「目…??なんでわかったんだ??」



と、椎名くんに聞かれた。



『将来、獣医さんになりたいから』



―なんて、恥ずかしくて、言えなかったけど!!

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