《MUMEI》 あれからすぐに、給食時間を告げるチャイムが鳴った。 篠崎は、 「俺、もう少し寝てたいからさ…誰か来たらよろしく!」 と言い、ガバッと布団に潜り込んで狸寝入りをしている。 少し経つと学校医が戻って来た。 「あら、起きてたの♪」 『あ、どうも。』 「んー、…こっちはまだね。」 こっち、って篠崎の事。 『あたし倒れたんですよね…?もうへーきなんで、ご飯食べたいし戻っていいですか?』 「ちょーっと待った。」 『へ?』 給食食べなきゃ1日持たないよ…。 「大島さん、ちゃんと栄養摂ってる?」 『…栄養摂りに給食食べに行きたいです。』 「はぁ…。あなたバスケット部だったわよね?それに聞いた話だと、その後真っ直ぐ塾に行ってるみたいじゃない。晩御飯はどうしてるの?朝はちゃんと取ってる?」 質問攻め。 『朝はあんまりお腹空かないんで…夜はおにぎりかコンビニのです。』 「…。」 あ。 おにぎり持参とかまずかったかな。 「ちゃんと栄養のある健康的な物を食べなきゃだめ!それに1日3食きちんと摂って。詳しいことは病院に行って診てもらわないといけないけど、栄養失調か貧血ね。とりあえず朝はきちんと食べて。…後、夜はお弁当作ってもらえないの?」 ああ、ガーッと言われるの苦手。 『はい、なるべくそうします…。病院は必要ないです。お弁当も…たぶん無理です。』 前へ |次へ |
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