《MUMEI》

「…これから、どーする??
―夢じゃねーのかな、これ…」



椎名くんがつぶやく。




ホントに。


夢だったらいいのに…



でも、なんとなく分かる。


これは、夢じゃない。


最悪の、現実だ―…




「…うっしゃ!!!」




いきなり、椎名くんが掛け声と共に
威勢よく立ち上がった。




「なっちゃったもんは仕方ねーよ、
取り敢えず様子見ながら、戻る方法考えようぜ!」




そう言って笑う。



―…今日から私は『椎名くん』として生活するってこと!?



…なんで、そんなに平気でいられるの??




私が黙って俯くと、



「…こうなったってことは、戻る方法もあるはずだって!!
1日たてば、治るかもしんねーし」



そう言いながら、椎名くんは私を立たせた。



「くよくよすんな!!」



私に言われてるみたいで、なんだか可笑しくなって、


笑ってしまった。

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