《MUMEI》 あ!!そういえば!! 「あの、ネコ―…」 そう言いかけると、 先生が吹き出した。 「君も心配なんだね。 …蓬田さんも心配そうに訊いてきたよ。 連絡入ったら伝えるって言っておいたから」 お大事に、と言い残して、先生は去っていった。 「じゃー、あたしも帰るわ。 店戻んないと。ちゃんと寝なさいよー」 そう言って、椎名くんのママも帰ってしまった。 一人きりの病室。 …椎名くん、ネコのこと心配してくれてたんだ… なんだか心があったかくなって、 一人きりの寂しさが、少し薄れた。 前へ |次へ |
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