《MUMEI》

「よお♪」

「いっちゃん♪」

最初に篠原、次に小池(コイケ)。

小池は1年の時からバスケ部を通して友達で、今回同じクラスになり、あたしの事をいっちゃんと呼ぶ。

だいたい、篠原が犯人と思しき事件(?)には小池も関わっている。


『部活は?』

「俺一応病人だから。」

「俺は行くよ♪大和に付き合わされただけだし〜。」

『あはは。小池…お疲れさまだねぇ。』

「うん♪いっちゃんも今日は帰るんでしょ?」

『そだね…広田が帰りなさいって。』

「そっか、気を付けてね?そんじゃあまたね〜♪」

『うん、ありがと、またね♪』

小池は体育館へ向かった。


「…そう言や広田、探してたけどちゃんと会えたんだ?」

篠崎が言う。

『あ、うん…体育館で。声かけてきて、帰れって。思ってたより優しいんだね〜。』

「はは、けっこう探してたみたいだぞ。俺が言わなくても帰ってるかもしんないけど、声だけはかけないとなって。」

『そっかぁ…。』

あらら…迷惑かけちゃったな…。


本当は禁止されている※置き勉、ジャージin補助バッグをロッカーに突っ込む。
(※今じゃ死語?かもなのだけど、勉強道具を学校に置きっぱにする事)


『…よしっ。じゃあ、あたし帰るね。』

「あ、ちょっと待って♪こっちこっち。」


なんだろ?

来い来いの手振り。

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