《MUMEI》

「はい?もしもし…」
『俺だ!』

(俺って…)

私は一瞬考えたが、一応、思い当たる名前を口にしてみた。

「あぁ、屋代君?」
『馴れ馴れしく呼ぶな!』
(相変わらず、嫌われてるな〜)

私は思わず苦笑した。

そして屋代君は、仲村君からの話を早口で話した。

話をまとめると…

『私が行った飲み会に参加した女の子が、仲村君と同じ職場で、その子から私の名前が出た』

『木下君から電話が来て、私が他の同級生とメールのやりとりをしてないが、仲村君とはどうなのか、質問された』

―らしい。

後者はともかく、前者は思い当たる節はある。

(でも…)

「それが、何?」
私が質問すると…

『とぼけんな!お前に都合いい偶然が、こんなに重なるわけないだろ!今度は何考えてんだ!』
屋代君が、ものすごい大声で怒鳴ってきた。

(言い掛かりも、いいところよ…)

私はため息をついた。

誤解を早々に解く為に、私は提案した。

「…二人で会って話をしましょうか?」
―と。
『のぞむところだ!』

屋代君は、臨戦大勢だった。

私は、屋代君が提案した日時に、会う約束をした。

通話が終わり、私は携帯を握り締めながら、またため息をついた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫