《MUMEI》

俺達は全員、完全武装で塹壕に入った。

そして、やがて夜は更けてゆく。

真夜中ごろになっただろうか。

相変わらず蒸し暑い。

おまけに、蚊にさされるしまつだ。

俺はたまらず、煙草に火をつけ肌に吹きかけた。

だが、煙草を持つ手が小刻に震えている。

横にいる部下も同様だ。

煙草は俺達の未来を暗示するように、燃えて灰になっていく…。

だが、俺達は沈黙を守り、警戒を続けた。

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