《MUMEI》 「貴方は勝手に私が仕組んだと思ってるみたいだけど、本当に、単なる偶然だから」 「信じられるか!」 私の説明を、屋代君は全面否定した。 その上… 「慎に揺さぶりかけて、俺達の仲を壊すつもりだろう!」 と言ってきたので、 「貴方、この前の私の話、ちゃんと聞いてた? 何故そうなるわけ?」 私は、呆れながら、質問してみた。 (まったく…) 私は、深いため息をついていた。 「お前、慎に気があるだろ!」 「仲村君の事は、好きよ。でも…」 私は、そこまで言って、口を閉ざした。 …果たして、この人に、私の気持ちが理解できるだろうか? 私がそう考えていると… 「何だよ!」 「うるさいなぁー。愛にもいろいろあるのよ」 私は、それだけ答えた。 (きっと、この人にはわからない) 好きな人と、触れ合えない、私の気持ちは。 (だって…) 屋代君は、仲村君と、…愛し合えるのだから。 それからいくら追求されても、私はそれ以上詳しく語らなかった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |