《MUMEI》

それからちょっと歩いて。


「着いたよ。」


ここは…


『…公園?』

「そ♪」


割りと学校の近くにある公園。


「ちょっと待ってろ。えーと…」


捕まえるって、どうする気なんだろ?

袋なんか出して…

でも、楽しみだ♪


「…おしっ、ゲット♪」


嬉しそうに袋を掲げて、歩み寄って来る篠崎。

…本当に不思議な人。

でも、あったかい。


「ほら♪」



















『…っっ!!!!』




篠崎は確かにクモを捕まえて来た。







…蜘蛛を。


あたしのトキメキを返せ(泣)




夕日を背に、篠崎は笑っていた。


くったくのない笑顔で。


その笑顔が、綺麗で…切なくて。



あれ、もしかして…




…。




その後は、せっかくだからって事でブランコに乗ったり砂場で遊んだり、他愛もない話をしながら一緒に時間を過ごした。

たぶん、篠崎なりの気遣いなんだろうな。


「そろそろ帰ろっか。送るよ♪」

『うん…!』


篠崎は、ここで良いよ、って言うまで送ってくれた。

もっと早くに気付いて言うべきだったのに…悪い事した(泣)


途中でコンビニに寄った。

前田さんにあげるジャガ○コと、何か明日の晩御飯になる物を…


…晩御飯は止めてみた。

おにぎりも作らないつもり。

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