《MUMEI》

―しばらくして。

(来た来た!)

熱々のチャーシューメンが三つ、テーブルに運ばれてきた。

私は、髪を一つに結んだ。
「「「いただきます」」」
ズズ〜!

私は、麺を豪快にすすり、
「うん、美味しい」

と、向かい側に座る仲村君達に、笑顔を向けた。

…何故か、二人の箸が止まっている。

「?何?」

「いや…」

仲村君が、言葉を濁すと…
「変わってるよな。
女って、こういうとこ、苦手じゃね?」

呆れた様子で、屋代君が質問してきた。

「そう?」

私は、そうは思わなかった。

(だって、おいしいし)

それから、三人で黙々とチャーシューメンを食べ続けた。


私は、仲村君達と変わらぬペースで、チャーシューメンを完食した。


これが、『友達』としてでなかったら、私はもう少し女らしい態度をとったと思う。

しかし、私が目指しているのは『友達』だし。

『女が駄目』な屋代君とうまく付き合うのも、この方がいいと、考えていた。

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