《MUMEI》 それに、今のマンションの家賃は、親に出してもらっている。 だから、それ以外は、自分の給料だけで、やりくりしていた。 (一応、貯金もしたいし…) 私は、節約生活を送っていた。 また、ある日は… 三人で県外の遊園地に出かけた事もあった。 私はと仲村君は免許はあるが、車が無いから、屋代君が車を出してくれた。 『大丈夫だから』と、運転もずっとしてくれた。 遊園地は、二人乗りの乗り物がたくさんある。 「私、一人で後ろに乗るから」 私はそう言って、仲村君達を優先させる事にした。 お化け屋敷や観覧車は… 私は、 「二人で言って来なよ」 と言って、仲村君達を送り出し、一人でベンチに座って待っていた。 観覧車はともかく、お化け屋敷は苦手だったし、丁度良かった。 関係を、私に隠さなくていいからから、だろうか。 二人はすごくラブラブで。 特に、仲村君が、屋代君に甘えるところなどは、嫉妬をするというより… (仲村君、可愛いなぁ) と、ほのぼのしながら、私は見ていた。 好きな人の、幸せな様子を、見ることができる。 それだけで、私は幸せだった。 …相手は、私で無くてもいい。 前へ |次へ |
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