《MUMEI》
持病
―七月の第二月曜日。

今日は、診察の日だった。
実は、私には、持病がある。

生まれつきではなく、突然、それは私を襲った。

小学校六年生の時の事だ。
その日。

私は、夕飯前、兄妹と一緒に、和室でテレビを見ていた。

「ご飯よ〜!」

母の声に、私は立ち上がった。

(あれ?)

視界が、真っ暗になった。
…体が、斜めになっていく気がした。

倒れた、のだ。

気が付くと…

病院の、ベッドの上だった。

―検査の結果。

私の脳波に乱れがあることがわかった。

それから…

『頭に衝撃を与えてはいけないから』と、それまで習っていた大好きな空手も柔道も合気道も辞めさせられた。

一番ひどかったのが、中学の時だった。

バランスが難しいらしく、1日朝夕寝る前、飲んでいる薬の量や種類がしょっちゅう変わった。

その副作用で、私の基礎代謝がどんどん落ちた。

更に、いじめで自律神経失調症になった私は、精神安定剤も、服用していた。

それも、代謝を下げた。

ストレスで、過食にもなり…

結果、私は太ってしまったのだった。

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