《MUMEI》
伊藤視点
自分でも何しに来たのか分かんなくなってきた…。





加藤君と少し話て彼が帰るなりいきなり腹が痛くなった。




それがもーかなり酷くて便所の主と化してしまった!




油汗をかきながら一旦出るもまたリターン。




やっと落ち着いたかと思ったら起きた裕斗と鉢合わせ。




何となく気まずさを噛み締めながらも、久し振りに会った愛しい姿に切なさが堪らなく込みあげた。




ボサボサの髪にヨレヨレのシャツ。




服装だけはいつもキまってたから新たな一面にであえた気分だったりして。









やっと、多分腹が落ちついて便所を出ると、バスルームの照明がついていた。




うっすらと擦りガラス越しに人影が写っていて





「はーなんかこれエロいなー」





さっき抱きしめた細い躰と肌の熱さが脳裏に蘇る。





しかし飲みすぎと寝不足で躰が死ぬ程だるい!






エッチしたいけど、途中で体力尽きるのも格好悪りーしなあ、どうしてくれようと考えながら意味もなくウロウロしてしまう。




ガチャ…





「あ、どう?腹」





全裸でびしょ濡れの裕斗登場。




白い肌がうっすらと赤く染まり髪が首筋に張りついている。




「あ、多分落ち着いた…」





俺に背を向けバスタオルで躰を拭きだした。





簡単なワンルームマンションだから脱衣所らしい脱衣所がない。





なんだかいけないものを覗き見してる様な、付き合ってるからこそ当たり前に見れる様な。




いや、男同士なんだし、裕斗がもしもあんまり気にしないタイプなら、別になんでもない関係でも見れたのか。

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