《MUMEI》

「ごめん…俺…」
「?何で、仲村君が謝るの?」

仲村君が、謝る必要など、まったくない。

むしろ、当時、私は仲村君に何度も救われた。

仲村君は、他の皆のように、私を『たかまる』と言わなかった。

…高山家にふさわしくないから、丸々してるから、…だから、付いた、大嫌いなあだ名を。

それに、仲村君は、秀兄さんと同じサッカー部だったけれど、私を利用して、秀兄さんに取り入ろうとは、絶対に、しなかったし。

(それに…)

他の男子が、ばい菌扱いして、一度も触らなかったのに。

ちゃんと、手を繋いで、フォークダンスも踊ってくれた。

それだけで、私は幸せだった。

だから、仲村君が、罪悪感を抱く必要は、全く無いのだ。

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