《MUMEI》

「さぁっすがー!準決勝おめでとさん。」

東屋とハイタッチを交わす。

「当たり前だ!伝説はこれからだし!」

聞き飽きた自信。

「なんで膨れとるの?」

七生が片手で左右の頬を潰してきた。

「ばへろ馬鹿!」

空気が抜けて情けない音になる。

むかつくな。

「知らん、お前の聞いてたときからずっとその陰気なままなんだけど。」

東屋が言う通り陰気な顔なのか触って確認してみる。

「あ、ドキュメントは?」

思い立ったかのように七生は叫んだ。

「今行けば間に合うかな。」
東屋が時計を確認した。

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