《MUMEI》

クラスメイトが完全にいなくなるのを待った。

サユは、サユの大好きなアーティスト、○UDY AND MARYが出した新曲を早く聞きたいと、物凄い速さで教室を出てCDショップに向かった。
(某人気邦楽アーティストより)

結衣ちゃんは、部活。

佳代は帰宅部で、いつも通りに帰った。



さ「…で。」

さつきが切り出す。


さ「何?話って。」

『うん、ナオ、何?』


ナ「…。」


ナオは、押し黙ったままだ。


さ「おい!(笑)」


さつきはナオに対して強い。

それは、嫌いだからとか鬱陶しいとかじゃなくて、ん〜…

お姉さんと妹みたいな。


ナ「あのね?(笑)」


『うん。』

さ「うん。」


ナ「…好き過ぎて、どうしたら良いかわかんない!!!」


さ「…はあ?!」

『…はあ…。』


ナ「だってぇ〜…。」


さ「何それ、そんだけで呼んだの?!」


ナ「…うん(笑)」


さ「うわ(笑)」

『ナオ(笑)』

『…えと、どうなりたいの?片想いのままでいいとか…付き合いたい…とか。』


ナ「わっかんない!好きだから、好かれたいけど、好かれたらなんなの?!」


さ「知らないし。」

『嬉しいじゃん!!』


ナ「だよね一葉!!でも、気持ち知られるの怖くない?!」


さ「伝えないで振り向かせる勇気あんの?」

『気付いてもらえなくてもいいの?』



「おぅ。」


「あ。」
「あ。」
『あ。』




芳…人…くん…。




「何してんの?」

さ「なんでもない(笑)」
ナ「あっ、えっ…んと…。」
『ゆ、ゆぉしとくんは?!』

「俺ジャージ取りに来たの。今男ばっかり20人くらいで鬼ごっこやってんだ(笑)じゃね〜♪」



芳人くんは去って行った。

聞かれてはないみたいだけど…

「どうしよ?!」

ナオは落ち着かない。


さ「大丈夫でしょ。」
一『うん。』
ナ「あ〜ヤバイ!」
さ「落ち着きなって〜。」
一『告れば?』
ナ「無理だから。」
さ「そうだ、告んなよ?」
ナ「む〜り!」
一『結衣ちゃんも言ってたし。』
ナ「あれは…。」
さ「行けるって!」
ナ「え〜…。」
一『今一人なんじゃない?』
ナ「んー…。」
さ「ほら!」
一『早く行けコラ!』
ナ「一葉(笑)」
さ「一葉(笑)」
一『玄関だって!』

ハイテンポでぼそぼそ喋ってた。


ナ「んー!あー!もうわかった!行って来る!!」


さ「まじで(笑)」

『うん!頑張れ!!』


それからナオは、意を決したようにドアまでずん、ずん、と歩き、

「あたしグッドラックb」

と、わざわざ振り返り、親指を立てて言って去った。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫