《MUMEI》

―廊下


どうしよう…!!


さつきと一葉に言われるまま、勢いで飛び出したけど…。

ああ無理、もうダメ!

全く勝算ない。

おっ…わっ…!

階段踏み外すし…

幸先わるっ。

この際居なきゃいいな〜芳人くん。

…鬼ごっことか何歳だよ!

「あれ、ナオちゃん。」

うるさい!今あたしに話かけんな!







え?!



『ゆぉしとくん!!』

「はは、もう帰んの?」

『い、いや、まだだけどっ…!』

「そっか。俺今隠れてんの(笑)へへ。」

『あーはは…そうなんだぁ…。』

「腕に紙袋巻いてる奴来たら教えて♪」

『あ、あの!!!』


「?」



『…玄関どっちだっけ?はは…。』



「…ここだy」


『やっぱいい!ありがとう!じゃあ見事に隠れてね!』










消えろ!あたし!今すぐ消えろ!!


ああ、何やってんだろ(泣)


玄関で玄関の場所聞くか?!


てか見事に隠れろっておかしくね?!


ああ…どうしよう…。




ガラガラガラ。


さ「早くない?!」
一「お帰り!」


さつき…

いちは…


『玄関の場所…聞いてきた(泣)』


さ「はあ?!」
一「え…。」

さ「…もしかして芳人くんに?玄関で?」


『うん…。』


さ「ぶっ…くくくく…あーはっはっはっ!」
一「ぶはっ…あはは!」


一「ごめ…っはは!ナオ(笑)あぁ〜…ナオ、他には話せた?」


『…見事に隠れてねって言った(泣)』


さ「あぁーっひゃっひゃっひゃっ!お腹痛い(笑)日本語…ぶ…っはは!…変だから!(笑)」

一「あっっははは!ダメ、ダメ、(笑)ちょ…っはは、ちゃんともっかい、…はぁ、落ち着いたら再開しよ!!」


『うん(泣)』


さ「はぁ〜あ。あんたね、ここでジメジメ慰められて、頑張ったよ、で終わられるのと、ゲラゲラ笑われて、もっかい行って来い、で送り出されるの、どっちがいいの?」

一「…このままじゃお互い気まずいよね?どっちが芳人くんの為で、どっちが自分の為?」





…!





『…もっかい行こうかな?…どう転んだとしても、ちゃんと方だけは付けようかな?』

…馬鹿にされる?


さ「…さすが♪」
一「…さすが♪」


あれ?良い反応。

…よしっ!


『行ってくるb』

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