《MUMEI》

「悪い意味なんかではなくて、その……」

内館先輩の力強い腕っ節はつい意識される。

「何だ?」

やばい声……そりゃ毎日耳元で口説かれた日にはオチるだろ。

「内館先輩ならすぐ悩みなんて吹っ飛ばすのだろうとか……」

首が直ぐ解放された。

「お前のも吹っ飛ばすの手伝おうか?」

満面の笑み、内館先輩は心のスキマに入るのが上手いみたいだ。

一瞬、藤田の愚行を名指しで言ってしまいそうだったではないか。

俺の名誉のためにも言わないからな。

「友達の話しなんですが……」

…………俺、馬鹿?

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