《MUMEI》

「……ふーん、友達だったやつに裏切られたと。」

先輩は放送室の鍵を開けながら軽い感じに言う。

「は、まぁ……そういうことになるのかな。」

俺にはさっぱりだ。

「俺、キスしたやつのこと少し分かるかな。」

「そうですか?」

確かに強引なところはあるけれどさ。

「うん。だって俺は二郎の天敵だったから。」

「天敵……?」

蛇と蛙や羊と狼みたいな?うわ、木下先輩羊に内館先輩狼って嵌まり役だ。

「俺、二郎にベタ惚れだからねー。
そして俺達には恋より長い友情があった。」

友情…………

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